2010年10月26日火曜日

瀬戸内国際芸術祭2010~9日目-63・犬島

作品No.H 犬島アートプロジェクト「精錬所」

中に入る前に、ちょっとした解説。

温度管理のお話。
煙突内の循環や、地熱、植生の効果を利用して、エアコンは使用しないとのこと。
この日は、特に熱くもなく、寒くもなくだったもので、効果の実感はあまりなかったけれど、真夏と真冬に来てみたいですね。

中に入ってみると、ちょっと、不思議な通路。
曲がりくねった通路なのに、いつもまっすぐ外光が見える。一昔前のRPGのダンジョンのような直角にしか曲がらない通路。
風の通る音も聞こえて、ふしぎな感じ。

この通路を過ぎると、三島由紀夫のモチーフを使った空間が立て続く。

まずは、かまぼこ型の空間。

元はこの形では無かったんだろうな、と思いつつ、長辺、21歩、短辺、18歩のかまぼこの内部に立つ。

吊るされた建具の数々。
水が張られた岩。

この作品にとって、三島由紀夫というフィルターは必要なのか?
必要なんだろうけど、、、
自分が三島由紀夫を十分に理解できていない自覚があるので、これからの作品群を十分感じられていないかもしれない、と思ったり。

かまぼこの断面の外には、枯山水を思わせる地面と、前の空間と同じく、吊ってある建具。
自然の風によるのか、建具がゆらゆらたゆたう。
(台風の日なんかどうするんだろ?)


続いては、6畳位の部屋。
10名程度毎に案内されるらしい。
入口のある壁と、その向かいの壁には、2枚の襖。
係の方が、襖をあけると、鏡。

向かい合わせになって、延々と物を映し続ける鏡。
その鏡に向かって、赤い光となった三島由紀夫のテキスト「英霊の声」が、投げつけられる。
かと言って、読めるわけではなく、字面が美しいと感じられるわけでもなく。

ちょっと、ホラーチック。

続いて、「サンギャラリー」と名付けられた空間?

こちらでは、三島由紀夫宅で使用されていたもので囲まれた空間に、「檄」のテキストが、一文字づつ、金属板になって、ぶら下げられている。

で、この全体が、外光、潮風が存分に入ってくる空間。

従来の美術館の意識ではありえない展示です。

三島由紀夫関連の品は、”保存”されることよりも、”自然と朽ちていく”べきものなのでしょうか。

以上で、精錬所内部は終了です。

瀬戸内国際芸術祭2010

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